夜尿症(おねしょ)の治療
夜尿症とは、5歳以上のお子様で、夜の睡眠中の尿漏れが1か月に1回以上、3か月以上続く状態です。主な要因として、夜間につくられる尿の量が多いこと、膀胱に尿をためられる量が少ないこと、尿意があっても睡眠中に目を覚ましにくいことなど、複数の要因が関係しています。夜尿症の治療では、生活指導、薬物療法、アラーム療法などを行います。生活指導では、日中に適切に水分をとること、規則正しく排尿すること、便秘があれば治療することなどを基本とします。お子様の状態に応じて、夜間の尿量を減らすデスモプレシンや、尿を感知して知らせるアラーム療法を行います。夜尿症は成長とともに軽快することが多い一方、小学生になっても夜尿が続いている、宿泊行事が心配など、お子様本人やご家族が困っている場合には、治療を検討することができます。
夜尿症の診察・検査
診察では、夜尿の回数や始まった時期、昼間の排尿の様子、便秘の有無、水分をとる時間帯、睡眠の様子などを確認します。また、お子様本人が夜尿をどのように感じているか、治療を希望しているかなど、気持ちや困りごとも大切にします。身体診察と尿検査を行い、必要に応じて排尿・排便・飲水の記録をつけていただきます。
6か月以上夜尿がなかったのに再び夜尿が始まった場合や、のどが渇いて水分を多くとる、体重が減る、いびきが強いなどの症状がある場合には、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群など、ほかの病気が隠れていないか追加の検査や専門医への紹介を検討します。
夜尿症の治療法
① まずは生活習慣を整える
- 日中は適切に水分をとり、夕方以降から就寝前は必要以上に多く飲まないようにします。
- 就寝前にはトイレに行き、日中も尿を我慢しすぎない習慣をつけましょう。
- 睡眠リズムを整え、十分な睡眠をとることを心がけます。
- 便秘が夜尿に影響することがあるため、便秘がある場合はその治療も行います。
② デスモプレシンによる薬物療法
夜間につくられる尿の量を減らす薬です。特に夜間の尿量が多いお子様で効果が期待され、夜尿の回数を減らすことを目指します。成功体験によって夜尿が改善すると考えられています。
ただし、多量の水分をとると、まれに低ナトリウム血症(水中毒)を起こす危険があります。服用方法や水分摂取の制限について、必ず医師の指示を守ってください。
③ アラーム療法
尿を感知すると音や振動で知らせる装置を使い、夜尿をきっかけに目を覚ます反応を身につけていく治療です。夜尿に気付くことで膀胱に尿がためられるようになると考えられています。効果が現れるまで時間がかかることもあるため、継続して使用しながら経過を確認します。
症状や治療への反応によっては、デスモプレシンとアラーム療法を組み合わせることもあります。